12月4日(水)の外来は休診です。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます。
前回、煎じ薬とエキス剤では、生薬から抽出される成分量にかなり差(煎じ薬 > エキス剤)があることを、甘草という生薬にスポットをあて説明しました。
今回は桂皮、シナモンです。そう。シナモンロール・アップルパイ。あの香りの生薬、桂皮です。厳密には異なりますが、京都名物、八ッ橋のニッキと同様の芳醇なかおりがあります。
今回は前回と同様、煎じ薬とエキス剤の違いの面から、桂皮をふくむ処方の桃核承気湯で考えてみます。構成生薬は桂皮のほか、桃仁(桃の種)、大黄、芒硝そして甘草(前回も出てきましたね)。
この図は筆者が、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)添付文書情報検索から、まとめたものです。現在、国内で流通する桃核承気湯の「医療用」漢方エキス剤と、同じく煎じ薬の一例(今回紹介する論文で用いられた分量)です。
エキス剤を比較すると、5つの生薬のうち芒硝以外は、煎じる前の分量が各メーカーとも同じです。唯一ことなるのが芒硝ですが、メーカー間で差があるのは、その排便作用の増減目的や、Mg(マグネシウム)など塩辛さ、飲みにくさを改善する目的かもしれません。
実際、筆者が1日服薬量のうち、抽出物がどれくらい含まれるか。つまり、デンプンなどの添加物でどれだけ薄めた味にされているか、パーセンテージで確認したところ、芒硝の多いメーカーほど、抽出物の割合が少ない(添加物が多い)傾向でした。
さて本日、紹介する論文は、鳥居塚和生ら「桃核承気湯エキス顆粒剤と煎剤との比較」 病院薬学 10巻1号29-34ページ(1984年) です。血液の固まりやすさ、凝固・線溶系の研究も論じられているのですが、シンプルにするためここでは割愛します。
本論文では、煎じ薬(煎薬)と各社エキス剤を用いて、桃核承気湯の抽出物にふくまれるグリチルチリン酸(以下、GA)、また桂皮酸および桂皮アルデヒドの定量をおこなっています。
材料は、煎じ薬(各生薬の量は先の図に述べた)および各社(A~F社)のエキス剤です。ちなみに煎じ液300mlから抽出物、4.8gが得られていますが、煎じ液を凍結乾燥後、メタノールなどの液体を通して抽出し、乾燥したエキスです。
鳥居塚ら(病院薬学 10: 29-34, 1984)のTable 1を日本語に筆者訳す
この表だけでは分かりずらいので、GA、桂皮酸、桂皮アルデヒドの順で棒グラフにしました。
まずはGA。煎じ液の方が、エキス剤よりもグリチルリチン酸の量が多く、前回の結果と同様でした。
鳥居塚ら(病院薬学 10: 29-34, 1984)のTable 1より、グリチルチリン量を抽出し筆者作図
次に桂皮酸ですが、先ほどのグリチルリチン酸よりも、煎じ液 > エキス剤の傾向が強くなりました。
鳥居塚ら(病院薬学 10: 29-34, 1984)のTable 1より、桂皮酸の量を抽出し筆者作図
最後に桂皮アルデヒドですが、揮発性の性質が強い物質のためか、比べ物にならないくらい圧倒的に、煎じ薬には大量の桂皮アルデヒドが含まれる一方、エキス剤にはほぼ含まれないのが分かります。
鳥居塚ら(病院薬学 10: 29-34, 1984)のTable 1より、桂皮アルデヒド量を抽出し筆者作図
桂皮酸(Cinnamic acid)および桂皮アルデヒド(Cinnamic aldehyde)は桂皮由来の物質です。ちなみに桂皮アルデヒドは、桂皮、シナモンの香りの中核をになっています。煎じ中、また煎じた後の香りはエキス剤より圧倒的に強いのです。そして香り同様、次に示す薬効も強くなります。
桂皮酸は老化防止などに関与する抗酸化作用もあり、化粧品にも使用されています。
桂皮アルデヒドの「アルデヒド」には、ピンッときた方もいるでしょう。ホルマリンの原型、ホルムアルデヒドと同様、アルデヒドをもつため高濃度だと鼻にツンッとくる香り。ホルマリンが手術で摘出した臓器を腐らないよう固定させる液体であるように、アルデヒドは度が過ぎると毒性をもちます。
しかし不思議なもので、桂皮アルデヒドはTRPチャンネルという痛覚、温度覚などと深い関連がある物質でもあります(桂皮アルデヒドは、慢性疼痛を誘発するTRPM8を阻害する。「鼻にツンッとくる香り」と書いたが、TRPチャンネルは痛覚と深い関係がある)。つまるところ、使用量を間違えなければ、毒ではなく薬になります。アルコールが水と油の仲立ちをするように、アルデヒドも水に溶けやすく、油の性質に近い有機溶媒にも溶ける性質があります。
つまり、ホルマリンやアルコールなどの有機溶媒に似た性質を持つ桂皮アルデヒドは、揮発しやすい、ガス化しやすい物質であり、煎じ液からエキス化したとたん、空気中に消えてしまいやすいことを意味します。
その代表例が最後に示した図。煎じ薬に保たれる桂皮アルデヒドは、エキス剤ではほぼ全滅に近くなる、ということです。あくまで、この論文上の話ですが。しかしながら追試験をしても、大差ない再現性のあるデータが出ると思います。もし、そうでないのならば、その再現性のある反証データを見たいものです。デカルトがそうであったように。
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みちとせクリニック院長
堀田広満
前回、煎じ薬とエキス剤の違いを述べましたが、今回は甘草という生薬にスポットをあてて、煎じ薬とエキス剤の成分量の違いについて書きます。
甘草はグリチルリチン酸(glycyrrhizinic acid,以下GA)という物質を保有し、この甘味のGAは醤油や味噌の製造にも用いられます。「グリチルリチン配合」とコメントが入る、歯磨きのCMを覚えている方もいるでしょう。GAは抗炎症や免疫調節などの作用を認める生薬成分です。
漢方エキス剤で甘草をふくむものは保険適応の全147処方中、110弱と多く、実に7割以上を占めます。
さて煎じ薬とエキス剤の成分量の違い、その実例の論文を紹介します。
黒田ら「漢方薬の煎液およびエキス製剤の成分分析 -カンゾウ配合漢方薬中のグリチルリチン酸量- 」 医療薬学 43巻11号619-629ページ(2017年)
本論文では、甘草が1日量として 2~6g 配合される漢方薬13処方、それぞれ煎じ液と(某社の)医療用エキス剤のGA量を比較しています(煎じ薬に用いられた刻み生薬は株式会社ウチダ和漢薬、株式会社栃本天海堂から調達)。また小青竜湯という処方のみ、8社のエキス剤(医療用、各社とも国内で製造承認されている)中のGA量を比較しています。
まず【煎じ液と医療用エキス剤の各処方における、GA量の比較】です。
黒田ら(医療薬学 43: 619-629, 2017)のFig 1より、甘草ベース量を割愛し日本語表記へ筆者変更
結果。全処方において、煎じ液の方が医療用エキス剤よりもGA量が多いことが分かります。あくまで甘草の一成分、GAのみの検討ですが、煎じ液はエキス剤にくらべ2.6倍~3.5倍の成分量を含みます。
【次に小青竜湯について、8社のエキス剤中のGA量を比較した結果】です。
上記論文のFig 7より、会社名をアルファベット表記に、また日本語表記へ筆者変更
結果。小青竜湯のGA量は8つの会社で、最高量は最低量に比し2.5倍強のバラつきを認めました。ドラッグストアで販売される「一般用」のエキス剤ではなく、「医療用」でこれほど差が出るとは正直予想しませんでした。新知見を提供された論文著者に感謝します。
一般的にエキス剤では、1日服用量に甘草のベース量が2.5gを超える薬剤は、高血圧、低カリウム血症などの所見をともなう偽アルドステロン症(リンクは厚生労働省)という副作用に注意すべきことが知られています。量が増えるほど、GAが原因(※)となって生じる偽アルドステロン症の発生頻度が増すからです。
(※)GA増加が偽アルドステロン症を誘発する主役ではなく、GA増加により11β-hydroxysteroid dehydrogenase 2 の活性が抑制され、過剰となったコルチゾールがミネラルコルチコイド受容体(MR)を介して、ミネラルコルチコイド作用を発現することによって生ずる。
補足ですが、甘草の1日量が2.5g未満の漢方であっても偽アルドステロン症を生じる方もいます。萬谷らによる2015年の論文によれば「甘草を1日1g使用した患者での偽アルドステロン症の頻度は1.0%(平均)であった」そうです(日本東洋医学会誌 66巻3号 p197-202)。
偽アルドステロン症など副作用を疑った際、煎じ薬の場合、甘草単体を減量もしくは去す(抜く)ことで対処が可能です。一方のエキス剤は、処方量全体を減らす必要があります。つまりエキス総量を減らすと、他に含有される生薬量も同時に減り、それはすなわち薬効の低下に直結します。
いずれにしてもGAのみならず、煎じ薬にふくまれる成分は、エキス剤よりも多く含まれるはずで今回の論文は、その一例です。当然、煎じ薬の薬効が強く出ることが多い。その分、煎じ薬は副作用に注意を要します。2つ、3つと同時服用の漢方処方数が増えれば、エキス剤でも甘草の合計量が増えるので、実は煎じ薬よりも危険なケースもあります(とくに東洋医学の専門医でない者が処方する場合)。
論文をふりかえり念のためですが、煎じ薬の薬効がエキス剤よりも3倍増す、ということではありません。本論文は服用前の試料、サンプルの検討です。ただし口の中に入る時点で、本論文のように相当量の差があり、体内で代謝される際、良し悪しに関わらず違いが生じる可能性は高確率と判断できます。
「エビデンス確立のためにはエキス剤が必要」と言われますが、小青竜湯のみの検討でも、会社間に相当のバラつきがあり、エビデンスの判定、論文の深読みが重要と分かります。同じ処方名でも、どのメーカーが製造したものか、をプロが考慮に入れて発注する根拠は、エビデンスよりむしろ経験です。附子剤なら●●社、宣伝に力を入れている処方ならそれらに傾注している●●社など。
小青竜湯のみの検討で、この結果ですので、年代をさかのぼってみると更に面白いデータが出るかもしれません。おそらく保管されたロットが無いと思うのですが、生薬の価格が低く、質のよい生薬が手に入りやすかったバブル期のロット。約40年前に製造されたロットと近年のロットが、同一会社、同一処方で比較され、そのデータが論文化されれば素晴らしい evidence となるでしょうね。
同一会社で製造されたエキス剤でも、年代により生薬の産地、その地の天候・気候、生薬の等級に相当な違いがあるはずで、品質にバラつきがあるのだろうと思います。私は日本東洋医学会に入会する前年の1999年、25年前(2024年7月時点)から医療用漢方エキス剤を患者さんに用いてきましたが、同一会社、同一処方でも薬の切れ味、治療効果に変化が生じてきたように、個人的には感じています。
以前は某社の医療用漢方エキス剤を、全国年間トップ10に入るほど使用していた私ですが、4年前に開業した後は、自由診療で煎じ薬・針灸の医療を南青山で実践しています。エキス剤にはエキス剤の良さがあり、自由診療での東洋医学には自由診療での東洋医学の良さがあります。
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みちとせクリニック院長
堀田広満
Q 「煎じ薬って、粉の漢方とどう違うの?」
A 「煎じ薬は生薬に水を加え、煎じた(煮出した)お薬です。煎じ薬と粉の漢方、いわゆるエキス剤と比較すると、かなり違いがあるので表で説明しますね」
ポイントをまとめます。
① 煎じ薬とエキス剤は、それぞれメリット・デメリットがある
② 煎じ薬の方がアロマ作用もふくめ、鮮度が高く治療効果が強い(仮に、煎じ薬をエアロプレスの精油豊かなコーヒーとすれば、エキス剤は乾燥の際にかなり香りが飛んだインスタントコーヒー、とも言える)
③ 煎じ薬の指標成分を100とすると、エキス剤は70、つまり煎じ薬の3割引きでも流通可能(上記②と関連、後述する「漢方エキス製剤の審査方針」(※))
④ 腸内細菌を改善する食物繊維の量が、煎じ薬には多く含まれる
⑤ 煎じ薬は専門性が高く、経験のとぼしい者が処方すると、効かないどころか副作用が強く出現する可能性が、エキス剤よりも増える。
→ ③・⑤と関連しますがたとえば、食物繊維を増やすべく砕いた薏苡仁(ハトムギ)などを大量に用いた場合、FODMAP食を避けるべき過敏性腸症候群(IBS:irritable bowel syndrome)の患者さんは腸内細菌が改善する前に、便通に苦しむかもしれません。一概にエキス剤が悪いとは言えません。とはいえ、保険診療のエキス剤は148種類のみで、圧倒的に煎じ薬の方が処方の幅が大きく、根治が難しい病、慢性疾患への選択肢が増えます。刻み生薬の煎じ薬(別名に湯液、煎液)を処方できる漢方専門医の出番です。
さて…ボリュームが多いのですが今回、比較表をつくりました。とくに食物繊維に関しては(2024年6月27日現在)検索する限り、煎じ薬とエキス剤を比較の俎上にのせたものが、他に無いようです。
(※)「漢方エキス製剤の審査方針」
「エキス及び最終製品の1日量分中の指標成分について、規格及び試験方法について含量規格を設定し、別紙1(2)のイ(筆者注:標準湯剤(つまり煎じ液)における指標成分の下限値)の70%以上に設定することで差し支えないが、標準湯剤(筆者注:煎じ液)の指標成分の下限値以上とることが望ましい」と国が定めている(薬審二第120号通知、昭和60年5月31日)
以上です。後日、下記の全てではありませんが、項目毎に記事にしてみます。
〈コスト〉 煎じ薬よりも、保険診療のエキス剤の方が安いが今年、薬価改定でそのエキス剤も大幅に値上がりした。
〈携帯性・保管性・簡易性〉 保険診療のエキス剤が良い
〈アロマ・味覚作用〉 煎じ薬の方が強い
ところで芍薬甘草湯という服用して数分後には、こむら返りが嘘のように消失する漢方をご存知ですか? 本来、これは矛盾なんです。胃で消化されるまで数分どころか約4時間かかり、はたまた吸収の過程を経て、やっと有効成分が筋肉を弛緩させるのがスジです。芍薬甘草湯は甘草以外、芍薬しか含まないのですが、その芍薬にはモノテルペン配糖体という香り、芳香性の物質が含まれます。最近、そのアロマ成分、モノテルペン配糖体が芍薬には少なくとも11種類含まれていることが判明しました。そういうこと。嗅覚の嗅神経を介して、ダイレクトに中枢に作用しているのでしょう。ちなみに嗅神経は脳幹に達しない、動物的な神経。脳幹を経ない神経は他に視神経しかありません。発生学的には野生的な、極めて変わった神経です。
〈食物繊維〉 煎じ薬の方が多い
〈薬の効果〉 煎じ薬の方が高い
〈専門性・稀少性〉 煎じ薬の方が高い
〈処方の幅〉 煎じ薬の方が広い
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みちとせクリニック院長
堀田広満
前回、日本で昭和期にひろまった漢方、柴朴湯1について書きました(漢方Q&A 1「そもそも漢方って、なんですか?」)。今回は昨年出版された本の、柴朴湯の記載を通して、正しい伝承がいかに困難かの具体例を考えたいと思います。
『本売る日々』という本です。実は昨年5月3日の記事に「近日、記事にします」としながら、すぐ書かなかったのには理由があります。本書の内容に決定的な間違いを見つけてしまった私は1年間放置し私と同様、誤認に気づく方が出るまで待つことにしました。
が、検索したところ、誰も指摘していません。Amazonでの口コミも高く評価された今なら、記事にしても本書の価値を落とさない、と思い結論から述べます。
佐助なる人物が「たいていの医者が喘病で処方するのは柴朴湯なんだよ。(中略)治療はまず柴朴湯だ(後略)」と語りますが、本書の舞台である江戸時代に、柴朴湯は存在しません。
先に断っておきますが、筆者をディスる気は毛頭ありません。むしろ日本漢方の特徴である口訣(くけつ)に着目し、小説に落とし込んでいただいたことを感謝します。日本経済新聞(夕刊、2023年4月11日)には、作者が「医書とは別に医師が治療法などを口伝で残した[口訣集]に行き当たり、視界が開けた」とあり、漢方医のわたしは興味深く拝読しました。
憶測ですが、筆者にアドバイスをした医師がいるのかもしれません。それは、駆風解毒湯加桔梗石膏2という玄人むけの処方や、日本漢方の特徴の一つである口訣など専門知識が本書に登場するから、です。江戸の名医、和田東郭3が著書を残さなかったことなど、深く漢方業界に身をおいた人でなければ知らない史実も出てきます。
しかし失礼ながら、漢方の歴史をよく理解していない先生かもしれません。「いや、あれは柴朴湯ではなく柴苓湯4の間違いです」と、そのドクターは言うかもしれないが…話の筋が気管支喘息の処方なので、柴朴湯が自然なんです。腎炎なら、まだしも。
「昭和40年12月15日」と前書きが書かれた『経験・漢方処方分量集』(監修は大塚敬節・矢数道明)では、柴朴湯のことを「小柴胡合半夏厚朴湯」と記載しており、1965年の段階では、柴朴湯の呼称が固定されていなかったことが分かります(上の図)。もしかすると pre-柴朴湯「小柴胡合半夏厚朴湯」は同処方集が世に出るきっかけをつくった一人、木村長久5が存命中であった昭和16年(1941)までさかのぼる可能性があります。
大塚敬節の師であった湯本求真6(1876-1941)が処方していた、とも伝わりますが、いずれにしても柴朴湯が世に出た時代は江戸ではありません。こういった誤謬、(本書ではないがマウンティングみたいな)詭弁の積み重ねで、元の処方が原作者の意図からズレていくんです。だからオリジナルに近いことが重要。つまり、伝統医学は原典が大切。新しいものが良いとは限らないのです。
私も編集に関わった『漢方医学大全』の処方解説でも、柴朴湯の出典を「小柴胡湯と半夏厚朴湯の合方(本朝経験方)」と記しています。大陸ではなく本邦で開発されたオリジナル処方は、もっと正確に伝承されるべき、と考えます。
話は変わりますが以前、高橋幸宏さん追悼文で、サディスティック・ミカ・バンドの名盤『黒船』中の曲「墨絵の国へ」に関して、私は「(幸宏さんの語りに関して)それが新たな船出の不安感を醸し出しているようで、リーダー”トノバン”加藤和彦さんのセンスを感じます」と記しました。が、この曲の中心に高橋幸宏さんを配したのが、加藤和彦さんではなかった可能性があります。
高橋幸宏“LOVE TOGETHER YUKIHIRO TAKAHASHI 50TH ANNIVERSARY“という本で、このアルバム『黒船』のプロデューサー、クリス・トーマス(業績にBeatlesの『ホワイトアルバム』のアシスタントプロデューサーなど)が、こう語っています。
「『墨絵の国へ』の朗読パートに彼を選んだのは、
彼の声が曲にぴったりな色合いを持っていたから」
つまり幸宏さんの起用は、クリス・トーマスってことです。これも、現場にいた加藤和彦”トノバン”が他界しているので真相は不明ですが。思い込み、って怖いものです。今回、『本売る日々』中の矛盾、柴朴湯について触れましたが、私も痛み分けってことで。
ちなみに加藤和彦さんの映画『トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代』が、明日5月31日から上映されます。語りは高野寛さん。YMO人脈が好きな人は必見です。
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みちとせクリニック院長
堀田広満
(補足)
1 柴朴湯:保険診療に収載あり
2 駆風解毒湯加桔梗石膏 くふうげどくとうかききょうせっこう:元は駆風解毒散(さん).保険収載なし
3 和田東郭 わだとうかく
4 柴苓湯:保険診療に収載あり
5 木村長久 きむらちょうきゅう:浅田宗伯の学統.
6 湯本求真 ゆもときゅうしん
Q 「そもそも漢方って…なんですか?」
A 「生薬のすべてが漢方、と思いますよね。ふつう。でも、生薬を使っていれば漢方、ってことにはならないんです」
生薬を用いた診療のすべてが漢方とは言えないし、中国で使われている処方が漢方ではない、のです。あくまでも、その処方を日本人が受容したかが、肝です。それらの処方群でさえ、日本の歴史の中で淘汰されたものもあり、歴史の深さが重要です。簡単にいうと、日本の歴史というフィルターを通して、日本人に受け入れられ続けてきた医療体系が「漢方」です。なので、本来は針灸も漢方です。
江戸時代、オランダ医学(蘭方)というカウンターカルチャーが日本に入るまでは、比較する必要もないほど当たり前に存在していた漢方でしたが、比較対象が生じたため当時「漢の時代を中心とした、大陸由来の処方や針灸など伝統医学のこと」を「漢方」と呼ぶことにされました。その体系は中国大陸で、漢の時代にだいたい形成されました。「だいたい」と言うのも、漢以前にも伝統医学の体系を培養する土壌があったからです。
「16世紀には南蛮医学が、17世紀にはオランダ医学(蘭方)が伝わったが、それでも19世紀半ばの明治維新まで、日本の医学文化は基本を中国に負う伝統医学が中心であった。この医学体系を日本人は蘭方に対して漢方と呼んだ」(小曽戸 洋『中国医学古典と日本』より)
さて、漢の時代につくられた医療哲学、処方体系が、その後の時代に大陸でそのまま継承されたか、というと厳密には違います。それは漢という国が滅ぼされた後に、宋、金、元、明など大きな国が形成される度に、その国家を形成する民族(漢民族、モンゴル族、および現在の満州族につらなる女真族など)の風習文化、考え方の違いによって、処方や施術方法に幅、バリエーションが生まれた、ということです。
ただし現在の日本では、江戸末期から明治初期までに受け入れられてきた、大陸からの処方群をまとめて「漢方」と呼ぶことが一般的です。国家中枢の違いを考えれば、「漢方」以外に「金方」とか「元方」とか別処方群の呼び名があっても良いのですが、十把一絡げ(ジュッパヒトカラゲ)に漢方と呼びます。
上流にさかのぼるなら漢の時代。
では下って、近代はどこまで漢方と呼べるのでしょう?
わたし個人は、後の大正天皇を救命するなど明治初期まで活躍した浅田宗伯(1815 – 1894年)がのこした著作群までが原則最後、と捉えています(後述しますが、七物降下湯など例外はあります)。
明治、大正時代は国策により、わが国の漢方医が激減、ほぼ枯渇しました。昭和に入り、少数精鋭の先人たちにより復興の息吹があり、第二次世界大戦の後、ふたたび漢方、針灸が花開くこととなります。
ちなみに現在「中医学」と呼称される医学は、昭和の伝統医学復興につづき、1966年からはじまった文化大革命の、つまり中華人民共和国で再編した新しい伝統医学、と私は考えています。日本で漢方の粉薬、いわゆるエキス剤による「保険漢方」が一般に普及し始めたのが1970年代なので、日本国内で医療保険の適応がある漢方処方の一覧に、中医学の新しい処方(たとえば冠心Ⅱ号方1など)が、まったく入らないのも理解できるでしょう。
例外はあります。
七物降下湯2は、地黄3、当帰4、芍薬5、川芎6という「四」生薬から構成される四物湯7に「三」つの生薬、釣藤鈎8、黄耆9、黄柏10を加えた計7つの生薬で「七物」なのですが、昭和に大塚敬節(1900 – 1980年)が創った処方です。元となる四物湯は『太平恵民和剤局方11』を原典とし、創成から917年以上(2024年時点)を経ています。四物湯のバランスを崩さない程度の生薬を加えており、長い歴史に淘汰されなかった四物湯の派生である七物降下湯は、日本人の体質に合った処方のひとつ、と考えられます。
ちなみに、この七物降下湯に杜仲12を加えると八物降下湯13。七物降下湯に3生薬、山梔子14、黄連15、黄ゴン16を加えると十物降下湯17になります。これら四物湯ベースの薬を創ったのは、それぞれ私が8年間奉職した北里大学東洋医学総合研究所(現在、北里大学北里研究所病院 漢方鍼灸治療センター)の3人の所長です(七物降下湯は初代 大塚敬節、八物降下湯は二代目 矢数道明、十物降下湯は三代目 大塚恭男)。
歴史に淘汰されなかった処方群、日本人の体質に合った処方群のうちの極一部が 保険漢方に入った。一方、歴史に淘汰されていない中医学の新しい処方群が 保険漢方に入っていない(文化大革命が終了したのが1976年とされ現在、まだ50年も経ていない)。結局「いま、ここ」にあるものは過去、歴史とつながっている、ってことですね。
ドイツのヴァイツゼッカー元大統領の名言に「過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目となる」とあります。文脈は異なりますが、歴史を知らないと、目の前に起きていることに正しい判断、決断ができないし、正しい処方が得られない。なので、漢方の歴史にまったく興味がない医者が出す漢方処方は、すこし気をつけた方が better かもしれません。
笑い話ですが、日本東洋医学会の専門医試験を受けるべく、あるドクターが提出した症例レポートに「原典(ある処方が史上、最初に書かれた医学書)は『本朝経験』」と記載があったそうな。笑い話は解説してしまうと面白味がなくなりますが、無粋ながら。本朝経験とは「日本における経験に基づく処方」の意味で、書名ではないのです。なんちゃって漢方医が、ちゃんと合格できたかは不明です。信じるか信じないかは…あなた次第。
ちなみに本朝経験方には、柴朴湯18(小柴胡湯19と半夏厚朴湯20を合わせた処方)などがあります。専門医試験には口頭試問があるのですが、意地悪なひっかけ問題を出してもおもしろいかもしれません。
試験官「では、柴朴湯の原典はなんですか?」
受験者「『本朝経験』という書物です」
試験官「ふっふっふっ、オヌシひっかかったな。では、小柴胡湯と半夏厚朴湯の原典は?」
受験者「(かぶせぎみに)『本朝経験』です」
試験官「…」
「虫の目」ではなく「鳥の目」で俯瞰して観ると、生薬、ハーブをあつかっているから即、漢方ではないし、それらを処方しているから即、漢方医とは限らない、です。たとえ漢方を名乗るクリニック、薬局であっても、気をつけて受診もしくは相談された方が良い。私はそう思います。相手次第です。本当の広告は、ネットではなく地声を通しての口コミ。
さきに述べた大塚恭男先生は、北里の職員らに十物降下湯と呼ばれ処方が独り歩きするのを嫌い「十物降下湯ではなく、温清飲加釣藤・黄耆21と呼んでほしい」と頼んだそうです。温清飲という処方に釣藤(鈎)、黄耆を加えた生薬内容は十物降下湯と全く同じなのですが、恭男先生ご自身はグイグイ我先に目立とうとされなかった御仁のようで、孫弟子に当たる私も間接的によい教えをいただいたと勝手に感じています。新しいものが良いとは限らない。
「守破離」の「破」はカッコよいが「守」があってのことだから。「守」のない「破」は仇花です。本来は「孤高」になれるはずの「離」も、「守」がなければただの「孤立」になりかねないデス。型破りのつもりが、形無し。守るべき伝統を学ばぬ者が破ったつもりになるものは、「自己満足、自己憐憫」と記された腕押しの暖簾なのかもしれません。自戒、自戒。
さて日本と異なり、現在の中国は国家をあげて伝統医学に本当に力を注いでいます。現在の中華人民共和国のリーダー達は漢民族が多く、おおもとの漢方、つまり「漢民族による漢方よ、いまいちど」という国民発揚の意識付けもあるかもしれません。Global だけではなく Local の重要性に気づいているのでしょう。世界は伝統医学に舵を切り始めていますが、日本は出遅れています。
【以上、転載禁止】
みちとせクリニック院長
堀田広満
(補足)
1 冠心Ⅱ号方 かんしんにごうほう:保険診療に収載なし
2 七物降下湯 しちもつこうかとう
3 地黄 じおう
4 当帰 とうき
5 芍薬 しゃくやく
6 川芎 せんきゅう
7 四物湯 しもつとう:創成は北宋より前の時代へ、遡れる可能性がある。原典は現段階で太平恵民和剤局方。
8 釣藤鈎 ちょうとうこう
9 黄耆 おうぎ
10 黄柏 おうばく
11 太平恵民和剤局方 たいへいけいみんわざいきょくほう:大観年間(1107‐1110年)に陳師文、陳承、裴宗元らが編纂。
12 杜仲 とちゅう
13 八物降下湯 はちもつこうかとう:保険診療に収載なし
14 山梔子 さんしし
15 黄連 おうれん
16 黄ゴン おうごん 「ゴン」は{艸(くさかんむり)+今}
17 十物降下湯 じゅうもつこうかとう:保険診療に収載なし
18 柴朴湯 さいぼくとう
19 小柴胡湯 しょうさいことう
20 半夏厚朴湯 はんげこうぼくとう
21 温清飲加釣藤・黄耆 うんせいいんかちょうとうおうぎ:温清飲は保険収載あり
当院、みちとせクリニックを開業し3周年となりました。
写真は、港区某ホテルで行われたお祝いの会の一コマです。
粋な計らいで頂いたお祝いプレートは、お店の名前が桃にまつわるからか、蓮餡入りの桃まんじゅう!
最近、患者さんにこんなことを聞かれました。
「院内の内装のアクセントがピンク色なのは、どうしてなんですか?」
こんな風にお応えしました。
「みちとせの桃、という故事の桃をイメージして、ピンク色なんですよ。それに東洋医学って陰陽、白黒の世界観で気難しそうじゃないですか。東洋医学って本当はもっとカラフルな医療なんですよ。なのでピンク、桃色なんです」
当院のホームページを開設した際、院長挨拶にも記しましたが不老長寿の桃。3,000年に一度花ひらく(千歳が3つで みちとせ)と伝えられました。3,000年つづいてきた東洋医学は今後も消えることはありません。この医学にたずさわれることが楽しくて仕方ありません。ありがたいことです。
ふかふかの桃のフォルム、蓮(はす)のあん、はふはふ言いながら食べる熱々のお饅頭。最高でした。お祝いいただきありがとうございました! みちとせの桃を食べた気になって、これからもパワフルに邁進します!
みちとせクリニック院長
堀田広満
漢方の生薬も「第6の栄養素」(※)と言われる食物繊維を介して、腸内細菌の改善、酵素の産生をうながす効果がわかってきています。東洋医学に力を入れる当クリニックでは、煎じ薬をつくる時間もない多忙な方、未病の方のお力になりたく、生薬を原料とする発酵食品も販売しています。
(※)リンクは厚生労働省e-ヘルスネット
加齢とともに減少する酵素(消化酵素や代謝酵素)は体内で消化・吸収・代謝・排泄など、すべての生命活動を促す触媒(ショクバイ、なかだち)として働きます。成人になると残念ながら、この酵素は年齢とともに減少します。
「激動の時代に多忙」
「食事の時間も面倒」
そんなこんなで日々、酵素の減少が早まっている人も多いのではないでしょうか。
Edward Howell(自身99歳まで長寿を実践した、アメリカのイリノイ州立医大卒の医師)の言
「一生のうち、体内で生成される酵素の量には限りがある」
発酵食品「海玉膏®」(かいぎょくこう)
海玉膏® | 海玉膏® Grande (グランデ) |
10g×30包 メーカー希望小売価格 10,584円(内税) | 10g×60包 メーカー希望小売価格 19,980円(内税) |
価格が高いと感じるかもしれませんが、CMでよく流れるドリンク剤(2023年12月現在 1本2,000円弱)と比較していただくと、御種人参、海馬など高価な生薬をふくむ本商品のリーズナブルさが分かります。
このような方にお勧め
・日々忙しい方に
・元気の出ない方に
・若々しく頑張りたい方に
・寒さが苦手な方に
・乾燥が気になる方に
・抗がん剤や放射線療法で胃腸粘膜の萎縮が生じた方の補助食品として
・長期間の抗生剤服用後、腸内細菌の改善を目的とした補助食品として
・膣内細菌と腸内細菌は密接な関連があり、妊活の補助食品として
海玉膏の味は、クコの実やハチミツの甘味、それにミカンの皮を含むためか柑橘系の香り、シナモンなどの風味をすこし感じます。流動性のエキスで、やわらかい水飴をイメージしていただくと分かりやすいかもしれないです。海玉膏は発酵食品ですが、決してお酢のような酸味や強いくさみは感じません。
クリニックに無料サンプルがあります。開院日時に直接来院される方へのサンプルですが、気軽にお声がけください。「海玉膏」の販売は全国、どこでも対面のみで許可されています。(もし海玉膏が通販で売られていれば、怪しいルートです。だまされぬよう、お気をつけ下さい)
(注)ハチミツ配合ゆえ念のため、当クリニックでは1歳以上の方に販売しています。
海玉膏の特徴
・日本国産(新潟県)の発酵食品(※1)
・原料は 8つの生薬(※2) と 3つの善玉菌(※3) と ハチミツ
・1包ずつスティック状のため、摂るのが簡単。旅行や外出に携帯しやすい
・生薬大手会社(※4)と発酵に特化した会社(※5)とのコラボ商品
・調製加工まで一貫した体制のもとで、品質管理がされている
発酵とは「微生物の働きによって植物が変化し、人間にとって有益に作用すること」です。
(※1)発酵食品の一般的な特徴
① 低分子化することで消化吸収が良くなる
② 発酵菌に整腸・免疫作用がある(主に乳酸菌。海玉膏の原料のひとつ)
③ 新たな機能性成分が増える(ex. 納豆は大豆にないナットウキナーゼを生成、酢は米にない酢酸やクエン酸を生成するなど、原料にはない機能性成分を新たに生み出す)
④ 発酵により抗酸化力が高まる(加齢を促進するタバコなどと真逆の効果)
⑤ 発酵により酵素(人間をふくめた全ての生き物が生きていく上で必要な消化、吸収、代謝などの化学反応を促進する物質)を多くふくむ食品となる。納豆、ヨーグルト、甘酒、味噌などが独特な香り、まろやかな味になるのは、この酵素の多様性、量の多さによることが大きい。
(※2)8つの生薬を原料とする「海玉膏」
① 御種人参(薬用人参の根。徳川幕府が栽培を奨励し、農地へ配った種の人参を「御種」人参と呼ぶ)
② 枸杞子(クコの実)
③ 桂皮(シナモン、シナニッケイの樹皮)
④ 陳皮(みかんの皮)
⑤ 熟黄精(鳴子百合ナルコユリの根茎)
⑥ 女貞子(トウネズミモチの果実)
⑦ 肉従蓉(ニクジュヨウの肉質茎)
⑧ 海馬(タツノオトシゴ)
(※3)3つの善玉菌を含む「海玉膏」
① 乳酸菌
② 酵母菌
③ 麹菌
酵素ドリンクなどは殺菌処理が必要ですが、本商品「海玉膏」は殺菌が不要。非加熱のため善玉菌を殺すことなく保持され生成されます。
(※4)株式会社ウチダ和漢薬 1947年創業
(※5)株式会社越後薬草 1976年創業
近年の健康ブームに便乗した歴史の浅い会社は多々ありますが、本商品は長年、生薬や発酵に力を入れてきた信用のおける会社が開発しました。
酵素の消費を抑える、もしくは補充することで腸内環境が整い(消化酵素の働きの一部)、また元気が回復する(代謝酵素の働きの一部)ことは、たとえば消化吸収に役立つ納豆・ヨーグルトや、クエン酸をふくむ酢・レモン等を食べるアスリートなどを考えると、お分かりいただけると思います。
(参考)栄養成分表示 1包(10g)あたり
熱量 33kcal
たんぱく質 0.08g
脂質 0g
炭水化物 8g
食塩相当量 0.01g
3つの善玉菌(乳酸菌・酵母菌・麹菌)を使用
「発酵のまち」新潟県上越市で、気温が低く湿度が高い、発酵に適した空気をとりこみながら、本商品は生産されています。陶製の瓶(かめ)の中で発酵させるため、瓶の中で自然対流が起きます。動画中、機械で混ぜているように見える瓶内の液体は、本商品の生薬がもつ発酵力が強いための自然現象です。この陶製の瓶は砂でできていて、通気性や遠赤外線効果により、コクと風味を醸し出します。また自然対流が生じることにより、瓶の中で好気性菌、嫌気性菌をバランスよく増やすことができます。最近の研究では、菌の多様性(菌の種類が豊富なこと)が良い腸内細菌叢の特徴と知られてきており、理にかなった自然発酵の手法と思われます。新潟県で醸造される日本酒や、低温多湿の冬風にさらされて熟成される塩引鮭(村上市)をイメージしてもらうと、本商品の産地への理解が深まるかもしれません。
マンガ風にさらっとおさらい
(日曜18時30分からの国民的番組、風味の音楽でじわじわきます)
【以上、転載禁止】
みちとせクリニック院長
堀田広満
お屠蘇(おとそ、屠蘇散)を対面販売しています。
「正月にお屠蘇を飲んできたのに、最近なぜか飲んでないな」という方も多いのではないでしょうか。
屠蘇散 税込価格 200円/袋
(対面販売のみ)
お屠蘇は、漢方生薬でつくられています。
桂皮(シナモン)、陳皮(温州みかんの皮)、山椒(さんしょう)などの生薬で、あの独特の風味が生み出されるんですね。抽出の効率をあげるため、実際の商品内生薬は写真より細かく刻んでいます。
もとは中国から日本に伝来し、平安時代には宮家の正月に縁起物として服されるようになりました。
後漢時代、華佗(かだ)という中国の医師が考案したと伝わります。屠蘇に関する記録は、孫思邈(そん しばく)が記した『千金方』(せんきんほう、650年代)という医書の「歳旦屠蘇酒」が、現時点で一番ふるいものと思われます。屠蘇は少なく見積もっても、1,370年強つづいてきた風習ということです。
浮世に移りゆくものが多いと実感する昨今ですが、ここはゆるりと、不動のものを。
一年の終わりにまずは心を静め、屠蘇散を日本酒などに一晩浸し、新年の初めにこの風味をお愉みください。
お求めやすい価格にしています。
南青山のご近所の方も、また「たまには表参道で」と遊びがてらに来られる方も、遠慮なくどうぞ。
おかげさまで みちとせクリニック 開院から3周年となります。
日頃の感謝をこめまして、数に限りがございますが、
漢方でご受診いただいた患者さん、
先着12名様に 自動煎じ器 を無料でプレゼントいたします。
煎じ器の詳細は以下になります。
株式会社ウチダ和漢薬【煎治 LITE】
ご希望の方はご来院の際、お声がけください。
なお当院は完全予約制となっております。
よろしくお願いします。
みちとせクリニック
院長 堀田広満