院長の堀田です。

 「みちとせの桃」という故事をお聞きになったことはあるでしょうか。漢の武帝が手に入れたとされる、不老長寿の桃です。その桃は3,000年、つまり三千歳(みちとせ)に1度、花ひらくと伝えられました。
 東洋医学は漢方のみならず針灸を含めると、約3,000年の歴史を歩み続けています。時代を超え、場所を越え、淘汰されなかった悠久の医学が、ここ南青山の地で華ひらきます。
 人生百年時代を迎えました。百寿は百(もも)に通じ、桃は縁起の良いものです。ともにcolorfulな実りある人生を進みましょう。スタッフ一同、あなたのいのちをいつくしみ育みます。わたしも、私たちも成長し続けます。よろしくお願いします。

みちとせクリニック院長 堀田広満

略歴

日本東洋医学会専門医

平成7年 新潟大学医学部卒業し、同大学小児科学教室に入局
平成10年 日本小児科学会専門医を取得

平成21年4月から3年間、北里大学東洋医学総合研究所 特別研修医プログラムを修了(当時は3年間が必須であった)
平成24年 日本東洋医学会専門医を取得

北里大学東洋医学総合研究所 漢方診療部 7年間常勤(うち2年間、医局長)

日本東洋医学会漢方医学書籍編纂委員会 中央委員(6年間、平成28年から令和3年)
北里大学東洋医学総合研究所 医史学一般研究員(平成29年から閉部まで7年間)

日本小児科学会、日本内科学会、日本医史学学会などに所属

共編著

Complete Japanese Traditional (Kampo) Medicine” Kampo Medical Literature Editorial Committee, Springer社(2025年)

漢方医学大全』一般社団法人 日本東洋医学会 漢方医学書籍編纂委員会(編)静風社(2022年)

日英対照 漢方用語辞書(基本用語) 』 一般社団法人 日本東洋医学会 辞書編纂委員会(編)The Dictionary of Kampo Medicine(Japan Society for Oriental Medicine) メディカルユーコン社(2020年)

漢方処方ハンドブック』小児科領域,花輪壽彦(編)医学書院(2019年)

観聚方要補 安政版』 分担執筆,観聚方要補 安政版刊行委員会(編)医聖社(2013年)

日本の伝統医学を継承します

継承され続けてきた文化遺産である伝統医学を次の世代へ継承することを、重要視します

  • 先代、千代、三千代(みちとせ、3,000年前)から受け継がれてきた伝統医療を、次の世代に継承すべく、研究、実践、座学を進めていきます。
  • 一方で3,000年前どころか、数年前まで無かったコロナワクチンの副作用など、新しい症状、新しい証も出てきた時代です。100年単位で観れば、抗生剤、抗がん剤、放射線治療による副作用も「新しい証」と言えるでしょう。過食に伴う生活習慣病も同様です。西洋医学的に新しい漢方薬をつくるのではなく、しかし謙虚に、虚心坦懐に医学の古典から「あたらしい」処方を探し出す努力を続けます。

パラダイムシフトをむかえた新時代の東洋医学について

  • 小難しいことを書きますが、エビデンスが十分でなくとも EBM (Evidence Based Medicine)は成立します(5年前の院長、堀田の論文 → 小児科61巻3号)。私の論文を読んでいただければ理解いただけますが、エビデンスを無視しているわけではありません。日本東洋医学会がまとめたエビデンスのサイトもあります。が、エビデンスは例えてみればストロボライトがあたった写真をつなげたようなもので、1対1対応のデータ、単純系には強いのですが static であり、複雑系や dyanamic な病態、慢性的な病態には弱いのです。
  • EBM(証拠、確証)は古典の中にも在るのです。脳と腸など臓器間のクロストーク、内分泌・神経・免疫の連関など、科学も単純系から複雑系へ移ってきました(14年前に院長が書いた、2011年の拙論『システム生物学と東洋医学』を参照ください)。また10年前の2015年に受けたインタビュー(後述)で語ったように東洋医学のEBMの一部は今後、AI (人工知能) が証明していく可能性があります。一部ですが。
  • ユークリッド幾何学では平行線は交わりませんが、非ユークリッド幾何学では交わります。地球の経線・緯線が近視眼では平行でも、いずれ北極や南極では交わります。要は大切なのは実学、本当に役立つ学問であるか、です。東洋医学は、そのダイナミックさ、変化への対応力、宇宙的な視野の広さが『易経』にも似て実践的です。
  • 東洋医学の診療技術は、おそらく今後も AI(人工知能)に置き換わることは無いでしょう。ヘアメイクなどと同様、今後むしろ AI は東洋医学を不得意とする分野となるはずです。AI に touching (手当、てあて)はできないのです。参考書籍として2013年の著作、松田卓也『2045年問題』を挙げます。この初版を当時、六本木にあった青山ブックセンターで購入した当院の院長は、かなり影響を受けました(以前、院長が取材を受けた記事、2015年4月の雑誌『Lattice いい医者になろう! Vol.3』「北里大学東洋医学総合研究所・堀田広満先生インタビュー 東洋医学の現状と未来」で本書を推薦図書に挙げました)。AI も限界があるんです。前時代の単純系の科学で AI を捉えると、足をすくわれますよ。
  • これからは古典・経験的医療、ルーツに逆流する時代です。Back to the Roots (根っこ、生薬).

診療する側の修行の重要性について

  • 舌診・脈診・腹診など東洋医学の特殊な診療技術や、経絡治療などの技術は、昔と変わりなく師匠から弟子につたえられるものです。
  • 閉鎖性が強い領域と思われるかもしれませんが、今や国家資格がなくともSNS等、まやかしの健康情報を配信する偽物が出てきており、やはり数年間、腰をすえて修行をおこなった者にしか会得できない、会得したフリをしてはいけない領域はあるのです。
  • 免許がなくとも「私は医者です」と宣言すれば誰もが医者となれた中世はヤブ医者が横行しました。ひるがえって SNS 乱立の現代は、誰もが「15分間は有名になれる」(アンディ・ウォーホル “15 minuites of fame”)時代であり、逆説的ですが、safety net の最たる医療を乱獲されないための閉鎖性、師と弟子の関係性、修行はある程度、重要と考えています。
  • ネットの情報がすべて正しいとお思いですか? であれば、自分の命にかかわる医療情報も AI (人工知能)情報のみを鵜吞みにすれば良いはずですが、おそらく智恵のある患者さんは、そんな単純な意思決定をしないはずです、今後ますます。内田樹さんは『修行論』で修行の重要性を説いておられますが、やはり修行をした人間の発する言霊の重みは違います。私、院長もまだまだ修行を重ねていく所存です。

【以上、転載禁止】
みちとせクリニック院長
堀田 広満