本クリニックの初ブログに記した、雑誌『東京人』。

(2021年6月時点での)最新号の特集は、その名も「東洋医学のチカラ」

数日前、紹介した江口寿史さん pop なイラストの4月号と並べて、写真を撮ってみました。うーん、東洋医学も pop なのが分かりますねぇ(笑)

『東京人』は時々、購入していますが、テーマがなかなか面白いです。「シティ・ポップが生まれたまち」特集号は、Amazon口コミをみたら高評価でした。

さて「東洋医学のチカラ」特集号。私が9年間、奉職した北里大学東洋医学総合研究所【略して「東医研」(トウイケン)】のなつかしい先生方、薬剤師さん、針灸師さん、また日本東洋医学会の委員会で辞書・医学書作りに4年間、私が共に仕事をしてきた先生方が、インタビューを受けています。

その中のお一人。東洋医学、とくに古典を学ぶ者で、その名を知らなければモグリ間違いなしの、小曽戸洋(こそとひろし)先生も執筆されています。私が先生とお近づきになったのは、今から10年前、2011年のこと。

わたしの漢方の師匠、花輪壽彦先生が古典をスラスラ読みこなし、実施診療に活かしているのをみて、古典の重要性に気づきました。古典を読み解く中、しかし1人ではどうしても打開できない壁があり、東医研の医史学教室の小曽戸先生に初めてお声がけしたのでした。

学問に厳しい一方、音楽などの趣味が多彩。人間味があり、尊敬しています。今回の特集号では、巻頭の文面と「これだけは押さえたい漢方の歴史」の2か所、執筆されています。

その中でも7,8年前『孫真人玉函方』(そんしんじんぎょくかんほう)という中国の古典が、千葉県の博物館で展示されたことを知り、その重要性にいち早く気づいた先生が「すぐに飛んでいきました」と書いており「先生らしいなぁ、ワクワクして本当に急ぎ足になっておられたのだろうなぁ」と、顔がほころんでしまいました。

拝見しましたが、やはり文才があるなぁ、と。読ませるのが上手な、読み手にアクセルを踏ませる小説家っていますが、読後の感覚が似てます。

さて、私が「みちとせ」と名付けたクリニック。「…3,000年なんて大袈裟なんじゃね?」と言う人もいるかもしれません。用意周到な私は開業前、ある本の記載から自信をもって「三千歳」と名のることにしました。

小曽戸洋『中国医学古典と日本』序章頭より引用始。

「中国には約3,000年、日本にはその半分の1,500年にわたる伝統医学の歴史がある」

(以上、引用終)

塙書房から出版された同書。東洋医学の全体像をとらえる、良い専門書です。約10年前の私がそうであったように、「なんちゃって漢方」「なんちゃって針灸」を抜け出したい方、ぜひお読みください。

みちとせクリニック院長 堀田広満